これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
弘樹はそう言いながら、フライドポテトに手を伸ばした。
私も釣られてポテトに手を伸ばす。
弘樹が塩を大量に振りかけたから、いつもよりかなりしょっぱくビールを飲むペースが早い。
私はジョッキのビールを口に運ぶと、モヤモヤした気持ちを一緒に流し込んだ。
「あの人……徳井さんの顔って、晶紀が持ってるBL本のお気に入りキャラに顔が似てるな」
「でしょう? 私もずっと徹也くんに似てると思ってたんだ。だからもしあの本が実写化するなら、攻めは徹也くんに決まりだね」
「お前、どこまでもBL脳だな……」
弘樹はそう言うと、頭を抱え込んでしまった。私の発言のどこがおかしかったんだろう。
私は、三次元の男性に興味はない。
徹也くんは幼馴染だから別だけど、仮に他の人とお見合いをしたとしても、こんな調子じゃ上手くいくことはないだろう。
婚約まで話が進んだこの状態は奇跡に近い。だからこそ、徹也くんにBL好きをカミングアウトせずに結婚していいのか……
しばらくの間沈黙していたけれど、それを破ったのは弘樹だった。
私も釣られてポテトに手を伸ばす。
弘樹が塩を大量に振りかけたから、いつもよりかなりしょっぱくビールを飲むペースが早い。
私はジョッキのビールを口に運ぶと、モヤモヤした気持ちを一緒に流し込んだ。
「あの人……徳井さんの顔って、晶紀が持ってるBL本のお気に入りキャラに顔が似てるな」
「でしょう? 私もずっと徹也くんに似てると思ってたんだ。だからもしあの本が実写化するなら、攻めは徹也くんに決まりだね」
「お前、どこまでもBL脳だな……」
弘樹はそう言うと、頭を抱え込んでしまった。私の発言のどこがおかしかったんだろう。
私は、三次元の男性に興味はない。
徹也くんは幼馴染だから別だけど、仮に他の人とお見合いをしたとしても、こんな調子じゃ上手くいくことはないだろう。
婚約まで話が進んだこの状態は奇跡に近い。だからこそ、徹也くんにBL好きをカミングアウトせずに結婚していいのか……
しばらくの間沈黙していたけれど、それを破ったのは弘樹だった。