これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
いつの間にか徹也くんは、自分呼びが僕から俺に変わっている。私の想像していた反応の斜め上をいく返答に、言葉が出てこない。
「と言うわけで、今から結婚指輪とそれまでの繋ぎでペアリング、それからスカートを買いに行くよ。身につける物を男が贈る意味、わかるよね?」
徹也くんの露骨な発言に、私は頬が熱くなる。
「おじさんから鍵、預かってるんだろう? その後で、予定通り新居の内覧に行こう。……オタクで腐女子の晶紀も好きだよ。小さい頃からずっと一緒にいたのに、いい加減、俺の気持ちに気づけよ」
徹也くんはそう言って席を立つと、支払いを済ませて店を後にした。私は徹也くんの後について行く。
「ねえねえ、ペアリングどんなのがいいかな」
徹也くんの告白がうれしくて、そっと腕を絡ませると、リトマス試験紙のように徹也くんの頬が赤く染まった。
「晶紀とお揃いならどんな指輪でもいいよ。値段気にせず好きなの選んで。その代わり、スカートは俺に選ばせてよ」
そう言うと、ショッピングモールへと向かった。
【終】
「と言うわけで、今から結婚指輪とそれまでの繋ぎでペアリング、それからスカートを買いに行くよ。身につける物を男が贈る意味、わかるよね?」
徹也くんの露骨な発言に、私は頬が熱くなる。
「おじさんから鍵、預かってるんだろう? その後で、予定通り新居の内覧に行こう。……オタクで腐女子の晶紀も好きだよ。小さい頃からずっと一緒にいたのに、いい加減、俺の気持ちに気づけよ」
徹也くんはそう言って席を立つと、支払いを済ませて店を後にした。私は徹也くんの後について行く。
「ねえねえ、ペアリングどんなのがいいかな」
徹也くんの告白がうれしくて、そっと腕を絡ませると、リトマス試験紙のように徹也くんの頬が赤く染まった。
「晶紀とお揃いならどんな指輪でもいいよ。値段気にせず好きなの選んで。その代わり、スカートは俺に選ばせてよ」
そう言うと、ショッピングモールへと向かった。
【終】