これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
この話が持ち上がったのは、二か月前──
「ねえ、晶紀。徹也くんとお見合いしない?」
夕飯を食べ終えたタイミングで、母久子から、今回の話を持ち掛けられたのだった。
いつかはお見合い話を切り出されるだろうと覚悟していたけれど、まさかその相手が徹也くんとは夢にも思わなかった。
「晶紀って、学生の頃から男の子のお友達はいるけど、彼氏はいないわよね?」
高校の頃、仲良かった男友達を何度か自宅に招いたことがあり、母が言うその彼とは今でも交流がある。ただし、母が期待するような恋愛絡みではなく、あくまで『友達』としてだけど。
彼氏いない年数イコール年齢だけに、私は母の言葉に言い返すことができないでいると、母が一歩踏み込んだことを質問した。
「いつになったら彼氏を連れてくるかと様子を見てたけど、一向にそんな気配はなさそうだし……誰か好きな人でもいるの?」
回りくどく探るのではなく、ずばりストレートな言葉に、私は即答する。
「そんな人、いるように見える?」
「ごめん、全然見えないわ」
「ねえ、晶紀。徹也くんとお見合いしない?」
夕飯を食べ終えたタイミングで、母久子から、今回の話を持ち掛けられたのだった。
いつかはお見合い話を切り出されるだろうと覚悟していたけれど、まさかその相手が徹也くんとは夢にも思わなかった。
「晶紀って、学生の頃から男の子のお友達はいるけど、彼氏はいないわよね?」
高校の頃、仲良かった男友達を何度か自宅に招いたことがあり、母が言うその彼とは今でも交流がある。ただし、母が期待するような恋愛絡みではなく、あくまで『友達』としてだけど。
彼氏いない年数イコール年齢だけに、私は母の言葉に言い返すことができないでいると、母が一歩踏み込んだことを質問した。
「いつになったら彼氏を連れてくるかと様子を見てたけど、一向にそんな気配はなさそうだし……誰か好きな人でもいるの?」
回りくどく探るのではなく、ずばりストレートな言葉に、私は即答する。
「そんな人、いるように見える?」
「ごめん、全然見えないわ」