ラスボス聖女に転生してしまいました~婚約破棄され破滅する運命なので、生き延びるため隣国で錬金術を極めます~
でもリルアは最悪だ。このままだと私の人生は悲劇的な結末を迎えてしまう。
なんせリルア・エルマイヤーこそがこのゲーム、「陽光のセインティア」のラスボス。世界を破滅へと導き、世界中から恐怖され、敵として認識されるキャラクターなのである。
隣国に追放されたあと、真の聖女として覚醒した最愛の妹によって殺される。それがラスボス聖女と呼ばれたこの私、リルア・エルマイヤーに訪れる悲劇の結末だ。
燃えるような赤髪を持つ姉のリルアと爽やかな晴天のような青髪の妹であるシェリアが対峙して睨み合うシーンは最もプレイヤーの心に残るシーンだと思っている。
姉妹の証である同じ紫水晶の瞳から同時に涙が流れ、交錯する想い。ゲームをしていた頃は他人事ながらもらい泣きしたものだ。
(この赤い髪もお気に入りだったのに恨めしくなる。悲劇のラスボスコンテストがあったら優勝ものだよ。リルア・エルマイヤー)
頭痛が治まったと同時に頭痛のタネとは、人生上手くいかないものだ。
死んで激務から逃れられたかと思えば、ハードモードの人生。
この教会に神様がいるのなら聞いてみたい。私が一体なにをしたのかと。
「……お姉様、大丈夫ですか? お体が悪いのでしたら先に戻られますか?」
「ううん、大丈夫よ。シェリア、心配かけてごめん。あなたのことは忘れていないわ」
「ああ、よかった! もう、お姉様ったら私を忘れてしまうなんてお人が悪いご冗談を」
本当にごめんね、シェリア。一瞬だけ記憶の関係であなたのことを忘れてしまっていた。
そして大事なことを思い出して一時的に頭の中が真っ白になっていたし、今もどうしたらいいのかわからない。
(だけど、やっぱりシェリアが可愛い。この子の泣き顔など見たくなかったから、ね)
ここまでずっと一緒だった最愛の妹は私の癒やしであった。
この子のお姉ちゃんとして、常に尊敬されるように優秀でありたい。それが私の原動力だった。
シェリアの笑顔こそ、このリルア・エルマイヤーにとって最高の宝物なのである。
私のことを心配そうに眺めていた彼女だが、安心したのだろう。すぐにいつもの可愛らしい笑顔をこちらに向けた。
なんせリルア・エルマイヤーこそがこのゲーム、「陽光のセインティア」のラスボス。世界を破滅へと導き、世界中から恐怖され、敵として認識されるキャラクターなのである。
隣国に追放されたあと、真の聖女として覚醒した最愛の妹によって殺される。それがラスボス聖女と呼ばれたこの私、リルア・エルマイヤーに訪れる悲劇の結末だ。
燃えるような赤髪を持つ姉のリルアと爽やかな晴天のような青髪の妹であるシェリアが対峙して睨み合うシーンは最もプレイヤーの心に残るシーンだと思っている。
姉妹の証である同じ紫水晶の瞳から同時に涙が流れ、交錯する想い。ゲームをしていた頃は他人事ながらもらい泣きしたものだ。
(この赤い髪もお気に入りだったのに恨めしくなる。悲劇のラスボスコンテストがあったら優勝ものだよ。リルア・エルマイヤー)
頭痛が治まったと同時に頭痛のタネとは、人生上手くいかないものだ。
死んで激務から逃れられたかと思えば、ハードモードの人生。
この教会に神様がいるのなら聞いてみたい。私が一体なにをしたのかと。
「……お姉様、大丈夫ですか? お体が悪いのでしたら先に戻られますか?」
「ううん、大丈夫よ。シェリア、心配かけてごめん。あなたのことは忘れていないわ」
「ああ、よかった! もう、お姉様ったら私を忘れてしまうなんてお人が悪いご冗談を」
本当にごめんね、シェリア。一瞬だけ記憶の関係であなたのことを忘れてしまっていた。
そして大事なことを思い出して一時的に頭の中が真っ白になっていたし、今もどうしたらいいのかわからない。
(だけど、やっぱりシェリアが可愛い。この子の泣き顔など見たくなかったから、ね)
ここまでずっと一緒だった最愛の妹は私の癒やしであった。
この子のお姉ちゃんとして、常に尊敬されるように優秀でありたい。それが私の原動力だった。
シェリアの笑顔こそ、このリルア・エルマイヤーにとって最高の宝物なのである。
私のことを心配そうに眺めていた彼女だが、安心したのだろう。すぐにいつもの可愛らしい笑顔をこちらに向けた。