ラスボス聖女に転生してしまいました~婚約破棄され破滅する運命なので、生き延びるため隣国で錬金術を極めます~
「ようやく私の研修期間も終わりました。まだまだお姉様には力が及ぶべくもありませんが、これからは一人前を目指して精進します」
シェリアはその力強い光の宿った瞳を向けて一人前になると宣言する。
彼女が聖女になってしばらく私は彼女と行動をともにして聖女としての務めを果たしていた。
聖女の役目は信仰の対象というのももちろんあるが、奇跡の力とも言える光属性の魔法を使っての結界の修復、怪我人の治療、さらに王宮の兵隊では勝てないような怪物の討伐など多岐にわたる。
それらを一通り私はシェリアに教えた。そして明日から彼女は晴れて一人前の聖女としてデビューすることになる。
ゲームでも最初のチュートリアル的なところだけ主人公のシェリアのパーティーにリルアが所属していた。
だからこそ、あのリルアがラスボスなの?という衝撃が大きかったのだが……。
とにかくまだ魔王の力が覚醒していない私はシェリアから尊敬すべき姉として慕われているのである。
「シェリアならきっと真の聖女になれるわ。世界を救うくらい偉大な英雄に」
「またまた、お姉様はお上手ですね。シェリアは少しでもお姉様に近づくことができればそれで満足です。真の聖女とはお姉様のような方をいうのですよ」
キラキラとした尊敬の眼差しで私を見るシェリア。
そうなんだよね。私も妹のシェリアが大好きだけど、彼女はそれ以上。つまりめちゃめちゃシスコンなのだ。
なにが辛いって、そんな彼女がラスボスであるこの私を倒せる唯一の人間だということ。
ゲームでは愛する姉を殺して世界を救うという鬱々としたシナリオがプレイヤーの涙を誘った。
「聖女リルア様、このとおり昨日見てもらった骨折がよくなりました。ほら、こうやって走っても全然平気!」
「リルア様、一昨日のドラゴン討伐はお見事でしたなぁ。孫に自慢話ができますじゃ」
「ありがとう! リルア様! 私たちが平穏に暮らせるのも全部リルア様のおかげです!」
妹と談笑していると、教会に参拝に来ていた王都の街の人たちが私に話しかけてきた。
今日まで世のため人のため、聖女として務めを果たしていたので私はそれなりに街の人々から慕われている。
シェリアはその力強い光の宿った瞳を向けて一人前になると宣言する。
彼女が聖女になってしばらく私は彼女と行動をともにして聖女としての務めを果たしていた。
聖女の役目は信仰の対象というのももちろんあるが、奇跡の力とも言える光属性の魔法を使っての結界の修復、怪我人の治療、さらに王宮の兵隊では勝てないような怪物の討伐など多岐にわたる。
それらを一通り私はシェリアに教えた。そして明日から彼女は晴れて一人前の聖女としてデビューすることになる。
ゲームでも最初のチュートリアル的なところだけ主人公のシェリアのパーティーにリルアが所属していた。
だからこそ、あのリルアがラスボスなの?という衝撃が大きかったのだが……。
とにかくまだ魔王の力が覚醒していない私はシェリアから尊敬すべき姉として慕われているのである。
「シェリアならきっと真の聖女になれるわ。世界を救うくらい偉大な英雄に」
「またまた、お姉様はお上手ですね。シェリアは少しでもお姉様に近づくことができればそれで満足です。真の聖女とはお姉様のような方をいうのですよ」
キラキラとした尊敬の眼差しで私を見るシェリア。
そうなんだよね。私も妹のシェリアが大好きだけど、彼女はそれ以上。つまりめちゃめちゃシスコンなのだ。
なにが辛いって、そんな彼女がラスボスであるこの私を倒せる唯一の人間だということ。
ゲームでは愛する姉を殺して世界を救うという鬱々としたシナリオがプレイヤーの涙を誘った。
「聖女リルア様、このとおり昨日見てもらった骨折がよくなりました。ほら、こうやって走っても全然平気!」
「リルア様、一昨日のドラゴン討伐はお見事でしたなぁ。孫に自慢話ができますじゃ」
「ありがとう! リルア様! 私たちが平穏に暮らせるのも全部リルア様のおかげです!」
妹と談笑していると、教会に参拝に来ていた王都の街の人たちが私に話しかけてきた。
今日まで世のため人のため、聖女として務めを果たしていたので私はそれなりに街の人々から慕われている。