嘘も孤独も全部まとめて
「お前さ」


「杏里紗」


「……杏里紗」


「何?」


……。


「お前のせいで、言いたいこと忘れた」


ボーッとしているのは酒のせいではないはずだ。


「気になるじゃん」


そんなことを言われても忘れたものは忘れたわけで…。


「無理。思い出せない」


時計を見上げると深夜一時。


「そろそろ寝るか」


「えーっ、まだ一時じゃん」


「お前と違って俺は一昨日の朝五時からずっと寝てないんだよ」


「一昨日の朝五時…」


指を折って数を数えている。
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