嘘も孤独も全部まとめて
「へぇー。これも似合う、意外」


意外って何だよ…。


安藤って人は、あたしを着せ替え人形か何かだと思っているんだろうか。

次から次へと服を持ってきては、試着室に居るあたしに差し出してくる。

おかげで試着室から出られない。


「うーん…。やっぱりフェミニン系イケるわね。アリサちゃん可愛いんだから、そんな無理矢理大人が着るような服着ないで、こんなの着たらいいのに」


あたしの体の前に服を掲げ、鏡とにらめっこ。


「うん、この組み合わせいいわ」


試着室の床にてんこ盛りになった服を両手で抱える。
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