嘘も孤独も全部まとめて
目の前の安藤さんは、優雅にワイングラスを傾けている。

顎のラインに沿って伸びた前下がりのボブヘア。

目つきはキツイ方だけど、メガネがよく似合うインテリ顔。

口元のホクロに、飲んでいる赤ワインと同じぐらい赤い口紅。

どこから見ても大人の女性だ。


前見た時とだいぶ雰囲気が違う…。


休みの日の安藤さんは、警察官には見えない。


「何?」


「…いや…綺麗だな、って思って…」


「あら、お上手ね」


ニッコリ微笑むと妖艶さが増す。
< 110 / 514 >

この作品をシェア

pagetop