嘘も孤独も全部まとめて
「食べないの?」


「……食べる」


お腹が空いているはずなのにあまり食欲が湧かない。

コンビニの安いカップ麺でも、因幡さんと一緒に食べている方が楽しい。


「…美味し」


すごく美味しいのに、どうしてこんなに悲しいんだろう。

どうして因幡さんの顔が浮かんでくるんだろう。

家に帰ったら会えるのに今すぐ会いたい。

仕事だって分かってるはずなのに傍に居てほしい。


何で…?


無愛想で女の影なんか見えなかったのに。

それなのに、安藤さんの一言だけで涙が出そうになる。
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