嘘も孤独も全部まとめて
日雇い労働の収入のほとんどを競馬やパチンコに注ぎ込んでいた男は、パチンコで負けた腹いせにあたしの目つきが気に食わないと殴り『誰のおかげで生活ができているんだ』と罵りながらあたしの中に不満をぶちまけた。

すぐ傍に居た母親は、それが見えていないかのようにボーッとテレビを観ていたのを覚えている。

痛くて泣き叫んだら容赦なく殴られ、テレビを向く母親の背中に何度『お母さん助けて!』と叫んだか分からない。

助けてもらえず、殴られる恐怖と体の痛みに、ただひたすら終わるのを我慢するしかなかった。
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