嘘も孤独も全部まとめて
「――落ち着いたか?」


ひとしきり泣いた後に声を掛けられる。

上体を離してあたしを覗き込み、フッと笑った。


「何で笑うんだよ」


「いや…別に…」


顔を反らし、笑いを噛み殺している。

あたしを抱きかかえたまま後ろに下がり、ベッドの上からティッシュを取り出してあたしの顔に押し付けた。


「ぶっ…何すんだよ」


偉そうに言ってはみるものの、悲惨な状況になっているであろう自分の顔を想像し、それ以上言えなくなる。
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