嘘も孤独も全部まとめて
「安藤さんとか?」


あたしの頬を拭く手が止まった。


「……アイツにはそんなこと言われたことない。そもそも、何でお前が安藤のこと知ってるんだよ」


「前に交番で根掘り葉掘り聞かれた。で、今日出掛けてたら会ったんだ。向こうは休みだって言ってたけど。服買ってもらってご飯も奢ってくれた。ほら見て、この服」


安藤さんが可愛いと言ってくれた服を見せるために立ち上がる。


「ふーん…」


「ふーんって何だよ。感想とかないの?」


「いや…。馬子にも衣装だな」


まごにもいしょう…。


何のことか分からないけれど、何かバカにされている気がする。
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