嘘も孤独も全部まとめて
下着もすべて脱ぎ、因幡さんの首に両手を回した。


「見てよ。あたしのどこがお子様なの?」


「ちょっ、杏里紗!服着ろ!」


あたしの両手首を掴み、肩から外される。

押し付けた体が離れ、ヒヤリとした空気があたしの体を撫でた。

痛くはないけれど、これ以上しがみつけないよう制止されている。


「結婚してたんでしょ?別に女の裸見たぐらいで、そんなに騒がないでよ」


結婚相手はどんな人だったんだろう。


「あたしだって色んな男と寝てきたんだから!別に裸見られたって何とも思わないし、充分満足させられるぐらい大人なんだからっ!」


何に対抗しているのか、もう分からない。
< 143 / 514 >

この作品をシェア

pagetop