嘘も孤独も全部まとめて
誕生日や結婚記念日に休んで旅行に行くと機嫌は直るものの、帰ってきたらまた同じことの繰り返し。


『子供が生まれてパパとママになっても、ずっと恋人みたいな夫婦で居ようね』


結婚を約束した時、そう言ったのはアイツだったのに…。


ひまわりのように明るくて俺が好きだったアイツの笑顔が曇り始めたのは、盗犯係に配属されてからだ。

昼夜関係なく呼び出される職場なのは分かっていた。

張り込む場合は何日も帰宅できないことだってざらにある。

ちゃんと説明もしたしアイツもそれを理解していると思っていたけれど、そう思っていたのは俺だけだった。
< 146 / 514 >

この作品をシェア

pagetop