嘘も孤独も全部まとめて
『何で安藤の名前…』


『やっぱりそうだったのね』


勝ち誇った顔で俺の前に何かを投げつけてきた。

俺と安藤が居酒屋で酒を飲んでいる写真。

そして何かの書類。


『仕事仕事って嘘吐いて!その女と私のことをバカにしてたんでしょ!』


その形相は般若のようだった。


『違う!』


『何が違うのよ、嘘つきっ!』


こうやって荒れ狂うから、家に帰れなくて安藤に愚痴を聞いてもらっていたのは確かだ。

でも、アイツとそんな雰囲気になったことは一度もない。
< 152 / 514 >

この作品をシェア

pagetop