嘘も孤独も全部まとめて
体を押し付けると、心臓が騒ぎ出す。

ギュッとしがみついても彼は何もしてこない。


「お前、よく毎日毎日裸でへばりついてくるよな…」


「その気になんない?」


「なるわけねーだろ」


「何で?ほら、まだピチピチだよ」


因幡さんの手を取って、無理矢理胸に押し付けた。


「そういうのは間に合ってる」


あっさりと手を払い除けられる。

『間に合ってる』とはどういうことだろうか。


……もしかして、他にそういう相手がいるとか?


頭の中に安藤さんと『とだ』さんが出てきた。
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