嘘も孤独も全部まとめて
今時の奴らは結婚したらちゃんと指輪をはめて結婚しているんだと対外的にアピールするけれど、俺にとっての結婚指輪は神経を削るための物でしかなかった。


……何回も一緒に足を運んで選んだ指輪なのにな…。


捨てるに捨てらなかった過去の遺物。

もう二度と戻ることができない、高校の時の二人に戻りたいと何度も思っていたのに、忙しさにかまけてすっかり忘れていた。


だから、アイツも俺のこと信用してなかったんだよな…。


俺に執着していたのはただの意地だと思っていたけれど、憎しみの中にも俺への愛が少しでもあったと思いたい。

箱の蓋を閉じ、同じ場所に仕舞った。
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