嘘も孤独も全部まとめて
ん…。


目が覚めると、目の前に杏里紗の顔があった。


「おはよ」


少し驚いた表情をした後、にっこり微笑む杏里紗。


「……おはよ」


半分寝ぼけた状態で挨拶を返す。


今、何時だ?


こんな風に寝入ってしまうなんて久し振りだ。


「因幡さんの寝顔、めちゃくちゃ貴重」


楽しそうに笑っている。


「目が覚めたら、目の前に因幡さんの顔があるんだもん。ビックリしたし」


そう言って俺の頬を撫でた。


「触るな」


杏里紗の手を取り、引き離す。
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