嘘も孤独も全部まとめて
「すぐそこにホテルあるから、朝から一発ヤッとこうか」


胸から離れた手が、あたしの太ももを撫で擦る。


「キモイんだよっ!触んな、クソが!」


相変わらず手首は押し付けられたまま拘束されていて、どれだけエラそうなことを言っても勝ち目はなくて。


「ふ―――ん。そうやって罵ってる人間を完膚なきまでに服従させんの、俺の趣味なんだよねー」


こいつ、ヤバ……。


「『優しくしてください、ご主人様』って言ったら少しは手加減してやるよ?」


「誰が───」


男の手がグイッと引っ張られ、吊られてあたしまで引っ張られてよろめく。
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