嘘も孤独も全部まとめて
「ごめん、お待たせ!さっきの大丈夫だった?」


「胸触られた」


「うわっ、マジで?最っ低ー!女の敵!」


腰に手を当てて怒っている。


「あの…。『とだ』さんって、警察官…ですよね?」


「あ、そうそう。私、市岡警察署刑事課盗犯係の戸田香純……です!」


そう言いながら警察手帳を開いて見せてくれた。


「警察官なのに制服じゃないんですか」


「刑事課は皆、私服!」


イントネーションが関西風。


「戸田さんって、こっちの出身じゃないですよね?」


「そーやねん。私の実家は大阪」


「ふーん…」


自分から振ってはみたものの、何と返事をしたらいいのか分からない。
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