嘘も孤独も全部まとめて
※※※



うー、帰り辛いなぁー…。


今までこんな経験したことがなかったから、どんな風にしたらいいのか分からない。


…でも、ここしか帰る場所がないもんな。


さっきから玄関ドアの前で、一人立ち尽くしている。


あー…。

もう、これで鍵が掛かってて入れなかったらどうするよ。


ドアを開けようかどうしようか迷っていると、勝手にドアが開き中から因幡さんが顔を覗かせた。


「あ…」


「何やってんだ。早く入れ」


「…うん」


大きくドアを開いてくれた因幡さんの横をすり抜け、玄関に入る。
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