嘘も孤独も全部まとめて
「大丈夫?」


「お前のせいだろ…」


頭がクラクラする。


「因幡さんって、ウブなんだね」


「俺はお前みたいに擦れてないんだよ」


「悩殺できた?」


俺達の会話が聞こえているのか、店員が笑いを噛み殺している。


「ほら、見ろ。お前のせいで店員までどうしたらいいか分からなくなってるだろ」


顎で店員の方を示すと、プクッと膨れ俺の腕を引っ張った。


「で!これはいいの?良くないの?」


「お子様はカボチャパンツにしとけ」


俺の言葉に、店員が吹き出すのが聞こえた。
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