嘘も孤独も全部まとめて
「何だよ」


「えーっ?何か、デートみたい」


「デート!?」


ただの買い物に付き合っただけでデートになるのか。


「嫌?」


俺の顔を覗き込み、悲しそうな顔をした。


「…もっと若い奴との方がいいだろ」


「やだ、因幡さんがいい」


どれだけ否定をしても、俺がいいと言う。

本当はこんなことをやっていないで、杏里紗をちゃんとしたところにやらなければならない。


余計な情を掛けるな。


そう自分に言い聞かせる。
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