嘘も孤独も全部まとめて
バタンと閉まるドアをジッと眺める。

今日は休みだと言っていた。

安藤さんはそれを知っていて因幡さんを呼び出したんだろうか。


でも――。


キスされた場所を撫でてみる。


「…へへ」


さっきまで不安で仕方なかったのに、たった一つのことでこんなにも安心できるなんて思ってもみなかった。


料理でもしてみようかな…。


帰ってきた因幡さんのために、何か食べさせてあげたい。


んで、胃袋を掴んで…。

あ、でもその前に食器とか買いに行かないとな。


そう考えているとチャイムが鳴る。


誰だろ…。


「こんにちは」


ドアを開けると、そこには安藤さんが立っていた。
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