嘘も孤独も全部まとめて
何で――?


慌ててドアを閉めようとすると、閉まらないように足を突っ込まれる。


「ずいぶんご挨拶じゃない」


「何の……用ですか」


「ちょっと、アリサちゃんの顔を見にね」


「でもさっき、因幡さんに電話…」


そうだ。

だから因幡さんは出掛けて行ったのに…。


「電話は確かにしたわよ。だけど、後から『遅れる』って電話するから気にしないで」


「そんなっ…」


「心配しなくても、貴女との話が終わったらすぐに彼のところに行くから大丈夫よ。こんなところで立ち話も何だし、中に入れてもらえる?」


そう言って、ほぼ強引に中に入ってきた。


< 222 / 514 >

この作品をシェア

pagetop