嘘も孤独も全部まとめて
「刑法の二百二十四条にね、規程があるの。『保護者の監護権』っていうのがあって、未成年者の同意があっても保護者の同意がない場合にはその監護権を侵害しているから、未成年者略取の罪が成立することになるっていうやつ」


「全然意味が分からないんだけど」


難しい言葉を並べられても、何を言われているのか分からない。


「簡単に言うとね、アリサちゃんが自らの意思でこの家に居ても、彼が貴女のことを心配してここに置いていても、貴女の保護者の同意がない限り因幡くんは犯罪者ってこと。分かった?」


「そんな……」


因幡さんが言ってたことは本当だったんだ…。


足元が崩れていく、そんな感覚に陥った。
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