嘘も孤独も全部まとめて
「因幡さん。買い物行こ?」


「ん。分かった」


ベッドから立ち上がると、因幡さんも同じように立ち上がった。

あたしの頬に手を添え、親指であたしの目尻を撫でる。


「だいぶ泣いたんだな…」


至近距離であたしの目を覗き込むから、ドキドキして心臓が破裂しそう。


「もっ、もう大丈夫だって!」


慌てて因幡さんの体を押しのける。

何か帰ってきてから因幡さんの様子がおかしい。


今まではあたしが触れようとしても躱されていたのに…。
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