嘘も孤独も全部まとめて
「何となく…だな」


「そうなの?あたしは普通だよ」


精一杯強がってみる。


「…まあ、いいか」


ポンと頭に置かれる大きな手。


ヤバい…。


じわりと目の奥が熱くなる。


「因幡さんも……帰ってきてから何か変だよ」


「…大人には色々あるんだよ」


「まーた、そうやってあたしを子供扱いして」


頭に乗せられた手を両手で取って、自分の胸に抱き寄せた。


「早く……大人になりたい…」


そうしたら、あたしは自由になれる?

因幡さんを犯罪者にすることもない?


そんなことを考えているとグイッと引っ張られ、気が付けば因幡さんの胸の中に閉じ込められた。
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