嘘も孤独も全部まとめて
「ジュースとか買ってきてやるから、ビールは飲むな!分かったな!」


「はいはい」


あたしが開けた缶ビールを机の上に置き、代わりに鍵を手に取るとそのまま出掛けていった。


……誰が言うこと聞くもんか。


机の前に座り、男が置いていった缶ビールを流し込む。


はぁーっ、苦っ…。


朝から何も飲んでいないし、食べていない。

ようやく口にできた飲み物に、苦さよりも喉を潤すことを優先した結果、机の上の二本だけでなく冷蔵庫に入っていた残りのビール三本も全部開けてしまった。
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