嘘も孤独も全部まとめて
※※※



目が覚めると天井が見える。

視線を横に向けると見慣れない家具。


あ…そっか…。

あたしシェルターに来たんだ…。


心も体も、まだ現実についていけてない。


倒れたの…?


意識がハッキリしないけれど、ずっと因幡さんに助けを求めていた気がする。


「因幡…さん」


口に出すと、また寂しさが込み上げてきた。

自分で決めた別れなのに苦しくてツラい。


『因幡さんのため』


そんな言葉、何の役にも立たない。

本当は今すぐにでも会いたい。

因幡さんの腕の中に飛び込みたい。
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