嘘も孤独も全部まとめて
「はぁ……」


電話が終わり、机に肘をついて頭を抱える安藤。


「迷惑なんだけど」


「お前からちゃんと話を聞いたらすぐに帰る」


「……場所、変えるわよ」


そう言って周りを見回した。

普段居ない俺が居ることで、周りの視線が気になるらしい。

立ち上がった安藤の少し後ろを歩き、建物を出た。


「……で?何?」


やって来たのは本部のすぐ横にある公園。

ベンチの前で腕組みをして立っているので、そのベンチに腰を下ろした。


「座らないのか?」


俺がそう言うと唇を尖らせ、少し距離を取って俺の横に座る。
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