嘘も孤独も全部まとめて
「アイツの居場所を教えてほしい」


「嫌よ…。そんなに捜したいなら自分で捜して」


「安藤!」


「私の口からは言えないの!それだけで察しなさいよ」


シェルター…か…。


「アリサちゃんの保護が最優先なの。だから因幡くんでも教えられない」


「そうか…」


地道に捜すしかないらしい。


「あの子はまだまだ若いから、これから色んな出会いがあるかもしれない。一緒に居られる保障なんてどこにもないのよ」


「俺はそれでもいいよ」


「……一回失敗してるのに『いい』って何よ…馬鹿。……ホント……馬鹿じゃない…」


「…かもな」


泣き笑いの安藤に、俺も情けない笑いが出た。
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