嘘も孤独も全部まとめて
※※※



安藤が居なくなったベンチでしばらくボーッとしていると、スマホが震え始めた。

ポケットから取り出してみると、画面には『盗犯』の文字。

職場からだ。

指をスライドさせ電話に出る。


「もしもし」


『あ…お疲れ様です、戸田です』


「どうした?今日は昼から行く予定だけど」


『……』


しばらく沈黙が続いた。

何かあったのは明白だが、その何かが分からない。


『えーっとですね…。実は、『しょちょう』からお電話がありまして…』


「所長?どこの交番?」


交番ともやり取りがあるため『所長』からの連絡はまあまあある。
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