嘘も孤独も全部まとめて
もしかして、安藤が言ってたやつが筒抜けてた?


辞表…書いといた方がいいか…?


昼から張り切って仕事しようと思っていたのに、一気に気が滅入る。


あーもー、マジで何なんだよ。


『因幡さん、聞いてます?』


「ああ…聞いてる。とりあえず、着いたらそのまま署長室に向かうわ」


『私、ちゃんと伝えましたからね!聞いてないとか言わないで下さいよ!』


責任逃れしたい気持ちはよく分かる。

俺だってこのまま居なくなってしまいたい。


「分かった分かった。じゃあな」


通話終了のボタンをタップし、ベンチに座ったままがっくりと項垂れた。
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