嘘も孤独も全部まとめて
その顔を見て驚いた。


「久しぶりだね」


「…ご無沙汰しております」


俺の前に歩いて来たのは、義父だった。

義父の後ろには署長と副署長が姿勢を正して起立する。


「…今はこちらへ?」


「まぁね。今は関東管区警察局で局長をしているよ」


局長…ということは、警視監…。


警視総監の次の階級。


そんなに出世していたのか。


「どうだい、最近は」


「ぼちぼちです」


元姻族だとはいえ、相手は警察庁の上から二番目。

この警察組織の中では正直雲の上の人だ。
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