嘘も孤独も全部まとめて
「因幡くんは局長と知り合いなのかね」


「ああ、うちの娘の元婿だよ」


署長の質問に勝手に答える義父。

そして思ってもみなかった答えが返ってきたからか、署長も副署長も目を見開いて俺を見る。


正直、針のむしろなんだけどな…。


なぜ呼ばれたのか未だに分からない。


「娘のせいで今もまだ独身なのかと思っていたんだが…。未成年と一緒に居るとか…」


一瞬で全身から血の気が引いていく。


「火のない所に煙は立たぬ…と言うからね」


どうする?


喉が乾いているのか、うまく声が出せない。
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