嘘も孤独も全部まとめて
「二人だけで少し話がしたい。君達は下がってくれるかな」


「はっ、はい!」


「行くぞっ!」


二人とも敬礼をして、逃げるように署長室から出ていった。


「座ろうか」


「…いえ…」


「じゃあ、上官命令だ。座りなさい」


「…失礼…します」


義父が座ったのを見て、向かい側に腰を下ろす。


「その節は、迷惑を掛けて本当に申し訳なかった」


「…いえ」


「娘は未だに入退院を繰り返してるよ」


「そう…ですか…」


「今、幸せかい?」


「……好きな人が居ます。ただ勝手に別れを告げられて…今は行方不明ですが…」


杏里紗が残したレシートを入れてある財布に触れた。
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