嘘も孤独も全部まとめて
「それが、例の未成年の子か?」


正直に言うべきか…。


お互い目を見つめたまま、しばらく動けなかった。


「…職を辞する覚悟もあります」


「……そうか…」


義父はそう言って立ち上がり、窓の方へと歩いていく。

日差しが入らないよう閉じられたブラインドを指で引っ張って、そのまま喋らなくなった。


「仕事があるので失礼します」


もうこれ以上話すことはないと思いソファーから腰を上げた時、義父がブラインドから指を離し振り返る。
< 300 / 514 >

この作品をシェア

pagetop