嘘も孤独も全部まとめて
「透くん」


「…はい」


「署内で何か困るようなことがあれば、遠慮なく私の名前を使えばいい。署長連中ぐらいなら何も言わなくなるだろう」


困るようなこと…?


「例えば、君の好きな彼女の報告とか…かな。『上層部は理解を示してくれている』、『上は許可してくれた』…。そう言って私の名前を出せば、すんなり話も通るはずだ」


よほど難しい顔をしていたのか、義父は困ったように笑いながらそう説明してくれた。
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