嘘も孤独も全部まとめて
「…自分がこれからしようとしていることは、犯罪……かもしれません…」


「未成年でも親の同意があれば問題はない」


自分の娘を見捨てた上に、未成年の女の元へ行こうとしている自分本位な元婿に優しい言葉をかけてくれる義父。


「…彼女の家庭は普通とは言い難いです。ネグレクトと性的虐待を受けていました。そんな親から同意を取るのは難しいと…同僚に言われました」


「多少の無茶には目を(つむ)ろう。君ならできる、そう思っているよ」


そう言って扉へ向かう。


「あまり待たせると変に勘繰られそうだ。君も仕事があるだろう」


「…はい」


義父の後ろに続く。
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