嘘も孤独も全部まとめて
「居るって言ったらどーすんの?」


「……」


唇を『へ』の字にして視線を天井に向け、何やら考え込んでいる。


「もしそうなら、別れさせる」


「はぁっ?」


やっぱり因幡さんおかしくなったんじゃ…。


「で?居るの?居ないの?」


あたしを抱き締めた手が、腰や背中を撫でる。


「――っ…やっ、ん…」


耳元で囁かれ、全身に甘い痺れが走った。

シェルターを出て一人暮らしを始めても、因幡さん以外の男にはまったく興味もなくなって。

でも因幡さんに触れられるだけでずっと眠っていた体が疼く。
< 314 / 514 >

この作品をシェア

pagetop