嘘も孤独も全部まとめて
「杏里紗」


そう囁かれるだけで体がバネみたいに跳ねた。


「居ない!因幡さん以外、居――…んっ」


あたしを壁際に押し付け膝の間に足を入れ込むから、身動きが取れない。

それをいいことに、因幡さんはあたしの股の間に足を擦り付けてくる。


「やっ…因幡さ…」


体が…本能が…因幡さんを欲しいと叫んでいる。


「あー、ちょっ…待って。理性があるうちに…」


理性のあるうちに?

人の膝を持ち上げて壁に押し付けといて?


これ、完全に立ったまま最後までやる感じの状態ですけど…。
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