嘘も孤独も全部まとめて
「あたしで…いいの?」


「誰が何て言おうと、俺は杏里紗がいいんだよ」


胸がギューッて締め付けられて、お腹の底から熱いものが込み上げてくる。


「あたしも……。因幡さんがいい…」


近付いてくる顔に目を閉じた。

触れるだけの優しいキス。

おでこに、目尻に、頬に、耳たぶに。

そっとキスを落としていく。


「これ…」


首筋に顔を埋めた因幡さんがネックレスに触れた。

首元にぶら下がっているのは、因幡さんの指輪と部屋の鍵。
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