嘘も孤独も全部まとめて
※※※



「ただい…ま」


透が帰ってきたのは、当直が終わると言った日の夜日付が変わってからだった。


「おかえりなさい。お疲れ様」


「疲れたー…」


走って玄関まで迎えに行くと、ギュッと抱き締められる。


「ってゆーか、寝てたら良かったのに」


「えっ…。結婚して一緒に暮らし始めた日にそんなこと言う?」


透のバカ。


頬を膨らませると、そこにキスを落とされた。


「ごめん。でも、いつ帰ってこられるか分からないから待っててもらうのも悪いしな」


すごく申し訳なさそうな顔で言われるから、なぜかあたしの方が悪いことをしているような気になる。
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