嘘も孤独も全部まとめて
「いーの…。あたしが透のこと待ってたいんだもん」


せっかく待ってたのに、そんな風に言われるのは悲しい。


「そっか…。ありがと」


「晩ご飯食べた?」


「んーん、何も食ってない」


「良かった。今(あった)めるね」


作った料理が無駄にならなくて済みそうだ。


「あ…うん、ありがとう」


微妙な反応。


「どうしたの?」


「いや、何も。手洗ってくるな」


そう言ってあたしを解放し、靴を脱いで浴室に向かう透。

なぜだかモヤモヤした気持ちが心の中に広がっていく。
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