嘘も孤独も全部まとめて
「自分、刑事のエキスパートを目指したいんで、人に誇れるものを身につけたいです!」


「死体の検視が、人に…誇れる?いやいやいや、警察官が事件のこと一般人に誇ったらアカンやろ。守秘義務あるんやし」


「いや、まー気持ちは分からんこともない」


引き気味の戸田には悪いが、男としては子供の憧れのヒーローになれるんだから、これ以上の幸せはない。

ただ、他人からは見えにくい部分に苦労があるだけで。


「因幡さんまで!」


「俺達公僕は、他人に感謝されてなんぼだからな」


「そうですけど…。理不尽なこと言われる方が多い気がします」


唇を尖らせる戸田。

そこは確かに何とかしてほしい。
< 381 / 514 >

この作品をシェア

pagetop