嘘も孤独も全部まとめて
※※※



「ただいま」


今日は定時で何もなかったので、当直の戸田に応援の言葉をかけて岡本と一緒に署を出た。


「おかえり」


笑顔で玄関まで走ってくる杏里紗。

嬉しそうな顔を見て安堵する。


「今日は早かったんだね」


尻尾を振って飛んでくる犬みたいだ。


「ああ」


「連絡もらったからもう晩ご飯作ってあるんだけど、食べるにはまだ早いかな?」


部屋に戻ろうと背を向けた杏里紗を背後から抱き締める。

腕の中にすっぽり収まる華奢な体。


「んっ…」


首筋に顔を埋めると、びくりと体を震わせた。
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