嘘も孤独も全部まとめて
「結婚式って、皆の前でドレス着て歩くやつでしょ?いーよ、そんなの」


「何で?」


普通は女の憧れだろ…。


「『何で』…って…。呼ぶ人居ないし」


「……別に、杏里紗の知り合い居なくても結婚式はできるけど」


「お金のムダじゃない?すっごい値段するんでしょ?」


「まーな…」


確かに、前の時は向こうの親からの援助もあったけれど、かなりの金額がかかった気がする。


「いいよ、しなくて。指輪ももらったし」


「それは婚約指輪だから、意味合いが全然違うだろ」


杏里紗の言葉に手を滑らせ、彼女の指に絡ませた。
< 386 / 514 >

この作品をシェア

pagetop