嘘も孤独も全部まとめて
服を脱いで鏡に向き合う。

肩や鎖骨、胸元や二の腕、脇腹、太もも…色々な場所に真っ赤な印。

普通にしていたら見えないあらゆる位置に透の痕が刻まれていた。

こんな愛され方なんて知らないから少し恥ずかしくて。

でも愛された証なんだと思うと、胸の奥の方がキューッと苦しくなる。


「失礼いたします。サイズはいかがでしょうか?」


外から声を掛けられ我に返った。

まだ脱いだだけで何も着ていない。


「あ…えっと、まだちょっと…」


「かしこまりました。お着替え終わりましたらお声掛け下さいね」


こんな姿見られたら、絶対引かれる。

危ない、危ない。
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