嘘も孤独も全部まとめて
「めちゃくちゃ似合ってんじゃん」


「そっ…そぉかな」


嬉しくてあたしもつられて笑顔になる。


「杏里紗細いから、屈んだら胸元見えそう。もうワンサイズ小さくてもいいんじゃないか」


「そぉ?」


透に言われて、試しに屈んでみた。


「……見える…かも。やっぱりダメ」


「かしこまりました。もうワンサイズ下の物をお持ちしますね」


すぐ傍に居た店員がドレスを取りに行く。


「他の男に見せんなよ」


「みっ、見せるわけないじゃん!」


うなじを滑る透の指に、思わず体が反応する。
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